(1) 超低温下(-1°C,-5°C)で,新米と古米を最長で60日間貯蔵し,経時的に理化学測定と官能検査を行い,食味の向上要因を検討した.その結果,中水分に調製した古米を60日間貯蔵した場合,官能検査の総合,外観,香り,味および粘りで有意差が認められた. (2) この食味向上の要因として,水分値,色調L値(明度),遊離糖含量,遊離アミノ酸含量,におい識別,セットバック値および最終粘度が関与していることが明らかになった. (3) これらの成果の活用により,特に古米の食味向上を図ることが可能であり,これにより付加価値が向上し,米の新規需要が図られて需要拡大の一手段に成るものと考える.