市販納豆から発散する揮発性物質をpolyvinylbenzene/carboxen/polydimethylsiloxane,SPMEファイバーにより50°C,1時間抽出濃縮し,DB-WAXカラム(内径0.25mm,長さ30m,膜厚0.25μm)を用い,GCおよびGCMSで分析した.ピークの同定をGCMSにより行ったところ,主要な臭い物質を含む83種の物質を同定することができた.2-ヘプタノールを内部標準物質とするGCにより主要な臭い物質の濃度を比較したところ,製造業者間で濃度が大きく異なることが明らかになった.その中でも特に,短鎖分岐脂肪酸を生産しない納豆菌株を用いて製造したとされる製品は,イソ酪酸,イソ吉草酸の存在量が他社製品より少なく,官能的に感じられる臭いの違いと一致していた.