Aspergillus oryzae W-1のアルカリプロテアーゼインヒビター(API)は,DEAE-CelluloseおよびHydroxyl apatiteカラムクロマトグラフィーにより均一に精製された.APIの分子量はSDS-PAGE法により14KDa,SephadexG-50を用いるゲル濾過法で12.5KDaと算出され,等電点は4.6であった.APIは著しく熱安定性であり,pH4∼6の範囲内で5分間煮沸処理後でも処理していないものと同等の活性を保持した.APIは A.oryzae や A.oryzae W-1のAPに対して阻害活性を示したが,subtilisin, subtilisin BPN', papain, ficin, bromelain, trypsinおよびα-chymotrypsinに対する阻害作用は認められなかった.一方,APIは後者の7つのプロテアーゼによって不活性になることが明らかになった.