低食塩漬物用乳酸菌スターターカルチャーとして選択した Leuconostoc sp.D-133株, Lactobacillus casei L-14株を赤かぶに混合して用い,発酵・熟成することで,高風味な漬物とすることを検討した. (1) 混合接種によって,D-133株の長所である速醸,不快臭をださない効果,およびL-14株の長所であるうま味を向上させる効果を生かすことが可能となった.また単菌株接種の欠点であった収斂味残留やジアセチル,アセトインの生成は抑制された. (2) 発酵に続き,10°C以下で熟成することにより,赤かぶ中に含まれているイソチオシアネート類が減少し,食味に影響しなくなった. (3) D-133株を105/g,L-14株を107/gとなるように赤かぶに接種し,18°Cで6日,10°Cで29日,0°Cで145日発酵・熟成した.その結果,適度な酢酸の生成で産膜酵母生育が抑制され,好ましい色調が保持された.