アントシアニン-大豆タンパク質複合体を,脱脂大豆をオートクレープして得られる変性大豆タンパク質抽出物と,アントシアニンを含有する各種植物メタノール抽出物の混合物から調製した.全てのアントシアニン-大豆タンパク質複合体は,アントシアニンを含んでおり,赤色から紫色のアントシアニン系色調を呈していた.最も高いアントシアニン含量(0.23%,複合体乾重あたり,cyanidin等量)は,黒豆から調製した複合体で認められた.全てのアントシアニン-大豆タンパク質複合体は,イソフラボンを含有する変性大豆タンパク質(沈殿物)よりも強いラジカル捕捉活性を示した.最も強いラジカル捕捉活性を示したのは,ナンキンハゼ紅葉由来の複合体であったが,その強い活性は,アントシアニンだけでなくタンニン成分(geraniinやchebulagic acid)の寄与も推察された.アントシアニン-大豆タンパク質複合体は,食品分野において,新しい複合型タイプの機能性素材として有望であると思われる.