7種の豆類由来のタンパク質(変性および未変性)と茶カテキン類の複合体を調製した.複合体の生成量は,未変性豆タンパク質と茶抽出エキスの混合物から沈殿として調製したものの方が,変性タンパク質から調製したものよりも多かった.すべての複合体において,結合している主カテキン類は(-)-epicatechin 3- O -gallateと(-)-epigallocatechin 3- O -gallateの様なガロイル基結合成分であった.複合体は,強いDPPHラジカル捕捉活性を示し,新しい食品素材として有用と思われた.特に,黒豆,小豆,大正金時や大納言を材料として調製した複合体は,強い活性を示したが,構成成分であるアントシアニンの影響が考えられた.22種のポリフェノール関連化合物とオートクレーブした脱脂大豆タンパク質との複合体も調製した.ポリフェノール類とタンパク質との結合性に関して,特にポリフェノール成分中のガロイル基の影響が重要であることが明らかになった.