スエヒロタケ菌糸体培養物(SCP)は細胞性免疫を賦活すると推測されている.実際,SCPに含まれるシゾフィラン(β-1,6-分岐を持つβ-1,3-グルカン)は,抗腫瘍活性を持っている.今回,食品として摂取した場合のSCPの免疫学的効果を明らかにするため,SCPを餌として与えたマウスを用いてサイトカイン産生への影響を調べた.その結果,SCPを経口投与したマウスの脾細胞培養上清中に産生されるIL-12とIFN-γは有意に増加し( P <0.05),TNF-α産生量はほとんど変化しなかった.さらに,IFN-γ産生量はSCP投与量に依存した.これらの結果,スエヒロタケ菌糸体は,経口的にTh1免疫応答を増進する有用な食品であることが示唆された.