食品素材としての消臭活性成分の探索において,パラチノース加熱物が高い消臭活性をもっていることを見出した.消臭活性は悪臭物質としてメチルメルカプタンを用いGCにおいてヘッドスペース法で評価した.糖類としてグルコース,フラクトース,スクロース,マルトース,パラチノースをそれぞれ加熱処理し,そのメチルメルカプタンに対する消臭活性を調べた.加熱処理を行っていない糖類は消臭活性を示さなかったが,加熱物は消臭活性を発現しその中でパラチノース加熱物が最も高かった.加熱条件(温度・時間)の検討では最適な組み合わせが存在することが示唆された.パラチノース加熱物中の消臭活性成分として5-[(α-D-glucopyranosyloxy)methyl]-2-furancarboxaldehydeと6-(α-D-glucopyranosyloxy)-1,3,4-trihydroxyhexa-5-en-2-oneを単離した.