菊抽出液の免疫調節機能を明らかにするため,マウス脾臓リンパ球の抗体およびサイトカイン産生に及ぼす影響について検討した.菊抽出液は,IgA,IgGおよびIgM産生を9倍希釈液から抑制したが,低濃度領域ではIgM産生を若干促進した.また菊抽出液はIFN-γ産生に対して729倍希釈液から抑制効果を示し,27倍希釈液から強い抑制効果を示した.IL-4産生は24時間培養では,27倍希釈液以上で強い抑制効果が誘導されたが,48時間培養液では抑制効果の減弱が認められた.菊抽出液のゲル濾過分画においてはIFN-γ産生を抑制する画分と促進する画分が得られた.これらの結果は,菊抽出液中にはマウス脾臓リンパ球のサイトカイン産生を抑制する因子と促進する因子が存在することを示唆している.