大豆タンパク質のSS結合をジチオスレイトールで還元し,蛍光色素モノブロモバイメイン(mBBr)で標識し,電気泳動で解析した.グリシニンの酸性サブユニット,塩基性サブユニット,Bowman-Birkプロテアーゼインヒビターに由来する主要バンドが見出された.二次元電気泳動上のスポットのうち,17個のポリペプチドがmBBr蛍光標識で検出された.国産大豆33品種について,mBBr標識されたバンドの蛍光強度と,豆腐の物性の関係を調べた.グリシニン塩基性サブユニットおよび酸性サブユニットが,それぞれ相関係数0.69および0.39で豆腐の破断応力と正の相関があったが,Bowman-Birkプロテアーゼインヒビターには豆腐破断応力との相関関係が見られなかった.豆腐のゲル形成にはグリシニンの塩基性サブユニット成分が寄与するものと推定された.