現在市場に流通している6品種の無袋栽培リンゴ果実を20°Cで約2∼8週間貯蔵した.1週間ごとに5∼10果について,個々にレーザー・ドップラー(LDV)法で第2共鳴周波数を測定し,その値と果実新鮮重から弾性率(Ef2)を算出した.また,個々の果実の果肉硬度を従来の破壊法(Magnes-Taylor型硬度計)で測定した.両者の相関係数は'祝','つがる','スターキング・デリシャス','夏緑'では約0.89以上であったことから,これらの品種ではLDV法で果肉硬度を推定することが充分可能と考えられた.'ゴールデン・デリシャス'と'ふじ'では,相関係数がやや低かった.果実の比重がEf2に影響するかどうかを検討したが,影響は小さいと判断された.青森県では'ふじ'の選果において,販売可能な果肉硬度限界は121b(Magnes-Taylor型硬度計)以上,高品質果実の判定基準は141b(同)以上とされているが,LDV法でそれらの硬度を持つ果実を選別することは可能と考えられる.