本研究の目的は, 水温の違いが仰臥位フローティング中の直腸温および酸素摂取量に及ぼす影響について明らかにすることであった. 被験者は, 健康成人男性8名とした. 本研究は, 陸上および水中3条件 (水温25, 30, 35℃) の仰臥位フローティングを行った. すべての実験は35分間行った. 水温25℃条件において直腸温は低下し, 酸素摂取量は増加した. 直腸温の変化には, 個人差が観察された. 体脂肪率と直腸温の変化の間には, 有意な正の相関関係が観察された. しかしながら, 体脂肪率以外の要因が直腸温の変化に影響を及ぼす可能性が考えられた. これらのことから, 浸水温25℃における直腸温の変化は, 体脂肪率以外の要因の影響を受ける可能性が示唆された.