本研究の目的は, 方向転換泳と25 mスピード泳の関連について検討することであった. 方向転換泳は, 水中での泳ぎの協応性を, 25 mスピード泳は, 泳ぐ速さを測定する. 被験者は水球選手6名を含む大学生水泳選手36名であった. 両テストは, いずれも水中で, 壁面を蹴ってスタートした. 両者の測定値の試行間信頼性 (ICC) を検討するために, 級内相関係数を算出した. 相関関係は, ピアソンの相関係数より検討した. 両者のICCはどちらも0.98で, 非常に高かった. 方向転換泳と25 mスピード泳のテスト間には中程度 (r=0.54) の有意な相関が認められたが, 関与率は30%以下であることから, 両者の関係はそれほど高くないと判断された. 方向転換泳にはスピード以外の要因が関係していると推測された. 水球選手は, 方向転換泳に優れることが示唆された.