本研究の目的は,競泳選手と水球選手を対象に,方向転換泳と25mスピード泳の比較およびそれらの関係を検討することであった.被験者は,水球群35名(年齢: 17.8 ± 2.2歳),競泳群57名(年齢: 20.0 ± 1.0歳)であった.両テストの試行間級内相関係数(ICC)は,0.85以上と高かった.方向転換泳と25mスピード泳テストの平均値の差はt-検定により,両テストの関係はピアソンの相関係数より検討した.競泳群は,25mスピード泳に有意に優れたが,方向転換泳に有意差は認められなかった.方向転換泳と25mスピード泳の相関は,競泳群では中程度の相関(r=0.54,p<0.05)であったが,水球群では高い相関(r=0.70,p<0.05)が認められた.水球選手は,競泳選手に比べスピード泳能力に劣るが,方向転換泳能力に差は無く,両者の関係が高いことが示唆された.