児童の因果関係理解の発達について, 第1報に続いて, 同じ目的で二つの調査を行つた。一つは前回と同じ被検者に対して, 簡単な実験演示を行い, その観察事項を説明させる方法をとり, 他は第1報と同じく, 質問紙による調査を農村小学校の児童を対象として行つた。それぞれの結果を第1報と比較して, 問題の相違. 被検者の相違にも拘らず, 類似の傾向が見られた。即ち小学校児童の因果関係の理解のしかたは, 主として現象論的, 論理的, 機械論的説明が行われている。また理解度は, 低学年, 中学年, 高学年の3段階に亘つて律動的な発達をとげていることが解つた。しかもその各段階自体も静的な過程でなくて, 動的発達の過程であることが明かとなつた。各段階の発達の力動的様相を明らかにすることは今後の課題として残された。全体として, 第1報で報告し, 推定したことについて, 根本的な修正を加える必要はなかつた。