人間の言語は単語の単純な集救ではない。語と語, 文と丈は相互に関連しあつて, そこになんらかの志向性が貫いている。この志向性をとらえることが読解である。したがって, 語乏語, 文と文との関係を理解することが, 読解の本質であると考えられる。本研究は, 主語・述語・指示語・逆接・順接の理解を調査することにより, そのような読解の本質的機能がすでに学業不振児において劣つていること, 学年の進行につれて優秀児との間に有意差のみられるばあいが多くなり, またその差の危険率が低くなつていることを明らかにしたのである。