congruency現象の因果関係の究明を目的とし, 相手によせる選択感情と, 相手からうける選択感情の知覚との不一致の状態が, 一定期間後にたどるcongruency processを追求した。両変数の不一致の状態は, 両者が同時的, 可逆的に影響しあって変動しやすく, しかも両変数のいずれか一方に規定されるcongruency processをたどって変りやすく, なおその過程には選択感情によって規定されるprojective congruency processと, 対人知覚によって規定されるintrojective (or empathic) congruency processの2過程が併存する, という3つの仮説が明らかに支持された。対人関係にみられるcongruency現象の今後の解明に多くの考察点を示唆してくれる。