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  • 标题:集団の多次連結構造とその効果に関する実証的研究
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  • 作者:狩野 素朗 ; 武田 忠輔
  • 期刊名称:実験社会心理学研究
  • 印刷版ISSN:0387-7973
  • 电子版ISSN:1348-6276
  • 出版年度:1962
  • 卷号:4
  • 期号:1
  • 页码:42-56
  • DOI:10.11558/jjesp1960.4.42
  • 出版社:The Japanese Group Dynamics Association
  • 摘要:

    本稿では最初に集団構造概念の形式的概念規定に関する試論を行い, そののちに多次連結構造の概念を規定し, 最後にソシオメトリーにおける多次連結構造の効果に関する実証的研究の招介を行った. I 集団構造概念の形式的規定についての試論 1) 集団成員m1, m2, ……mnは1つの集合Mを定義する. すなわちM= {m1, m2, ……mn} 2) 集合Mの要素間に, 種々の社会心理的関係が存在する. その各次元をρ1, ρ2, ……ρrと記し, それらを要素とする集合をPとする. すなわちP= {ρ2, ρ1……ρr} 3) Pについて, それが満足すべき形式的条件について考察する. それは研究の関心にしたがって, 理論的に定められるべき性質のものであり, その条件によって特殊性が与えられた構造が, 概念的に定義される. その条件をCと記す. 4) 以上の考察により, 集合Mの集団構造St. MはPとCにより定義されるものである. すなわち定式的にはSt. M= (P, C) II 多次連結構造について 1) 成員aと成員bの連結関係において, 両者が (グラフ論的に) 2以上の距離をもつ通路で結合しているばあい, aとbは多次連結関係にあるという. そしてa, b間の通路の距離がnであるときa, とbはn次連結関係にあるという. 2) 多次連結関係にもとずいて考察する集団構造を多次連結構造という. 集団構造の形式的概念規定式St. M= (P, C) によれば, 多次連結関係ということを条件Cとして定義された構造である. 3) 一般に集団内における地位に関聯した研究を行うにあたっては, 1次連結構造のみならず, 多次連結構造についての考察をふくめることが, より妥当であると思われる. 権力関係, ソシオメトリック関係において多次連結関係を考察することにより, 関係をもつ相手の重要性にもとずく「関係」そのものの重みづけを行うことが可能となり, それによって1次連結関係のみでは解明し得なかった地位status序列についても, 数量的な判別を与える方法が見出だされる. 4) さらに多次連結関係をふくめた地位は, 行列matrixおよびその演算を用いてつぎのようにあらわされる. A=A+αAA2+βA3+……μAn こゝにAは成員間の関係の有無により定義される行列. α, β, …μは係数 成員iの地位は, 行列Aのi行元素の和である. 5) 上記行列による多次連結構造内地位規定式においてα, β, ……, μの係数の値は実験によって求められるべき性質のものである. III 実証的研究 筆者は, ソシオメトリー構造における多次連結構造についての実証的研究を行い, ソシオメトリツク・テストによる2次連結地位が教師による人気の判断に対し, 現実的効果をもつことを示した. すなわち, 1次連結地位指数は等しく, かつ2次連結地位は異る生徒たちの対を比較するとき, 教師たちは日常の観察にもとずいて2次連結地位の高い生徒に対し 「より人気が大である」 という判断をすることが有意に多かった. 本稿で明らかにしたことは, 2次連結関係の効果が現実に 「存在すること」 について明らかにしたものであり, それが 「どのように」 「どの程度に」 という面については, 1次連結関係を変化させることによる条件設定を行った研究をすゝめなければならない. いずれにせよ, 前述のように, 1次連結関係のみによって求めた地位序列が, 2次連結関係をも考察することによって逆転するばあいもあり得るのであって, このような多次連結関係の考察は, 集団構造の研究をすゝめるにあたって, 極めて重要なことであると思われる. 本稿は, このような目的での構造研究の出発点として就筆したものであって, 筆者らは, 更に具体的な研究を今後すゝめてゆきたいと考えている.

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