本研究は, 中学3年生2学級95名, 2年生6学級282名, 1年生2学級88名を対象とし, 「学習」 および 「そうじ」 をcriterionとする社会測定的地位と知能および学業成績との関係の分析を試みた. その結果を要約すると, およそ次のとおりである. (1) 社会測定的地位の上位群は, いずれのcriterionによる場合も, またどの学年においても, 同下位群より有意に高い知能 (京大NX式, 教研式. 新制田中B式知能テストによる) を有することが明らかになった. (2) 「学習」のcriterionにもとづく社会測定的地位の上位群・下位群の新制田中B式 (第2形式) 知能テスト得点を分析した結果, 4個のサブスケール (幾何図形構成・異同弁別・数系列完成・図形抹消) において両群間に有意差がみとめられた. (3) 「そうじ」のcriterionにもとづく社会測定的地位の上位群・下位群の新制田中式B (第2形式) 知能テスト得点を分析した結果, 2個のサブスケール (幾何図形構成・数系列完成) においてのみ両群間に有意差が見出された. (4) 「そうじ」のcriterionにもとづく社会測定的地位の上位群・下位群の9教科の学業成績を分析した結果, 国語・社会・数学・理科・英語の5教科において上位群の成績が下位群のそれより, きわめて有意に高かった. その他の教科の成績の差は有意水準に達しなかった.