本研究は炭鉱の採炭作業集団における集団生産性と, リーダーの対人認知の傾向との相関についての実証的研究である. 生産性の判定基準として, 出炭トン数, 出勤率, 上役からの評定の三つの項目が用いられた. 高生産群4集団および低生産群4集団, 計8集団の補助監督者, 第一線監督者, 第二線監督者の19名が被調査者である. 結果を要約すると次のとおりである. 1. 高生産の補助監督者は, 低生産の補助監督者よりも, 彼等のleast preferred co-workerに対してより好意的である. 2. 高生産の第一線監督者は, 低生産の第一線監督者よりも, 彼等のleast preferred coworkerに対してより非好意的である. 3. 高生産の第二線監督者と低生産の第二線監督者の間には, 彼等のleast preferredco-workerに対する好意度に一定の傾向は見い出されない. これらの結果が集団の二つの基本的機能のバランスの問題と関連づけて考察された.