本研究はリーダーシップ効果性に関するFiedlerの理論的モデル (contingency model) を実験室的実験によつて検証しようとするものである。被験者は男子中学生180名。1集団5名。モデル検証のため集団編成にあたって, リーダーと成員の情緒的関係, 課題, リーダーの地位勢力の三つの要因が操作された。本実験の主要な結果をまとめると以下のとおり。 1) 本実験によってcontingency modelの妥当性が検証された。すなわちリーダーが集団成員に影響を与えることが非常に容易な状況, あるいはそれが困難な状況では, リーダーのLPC得点が低いほど集団の生産性は高くなる。これはに対し, リーダーが集団成員に影響を与えることがそれほど容易でもないが, またそれほど困難でもない状況では, リーダーのLPC得点が高いほど集団の生産性は高くなる。 2) リーダーが集団成員に影響を与えるにとが困難になるにつれ, LPC得点の低いリーダーは目標遂行 (P) 機能に関する行動をいっそう多く示し, 集団維持 (M) 機能に関する行動をいっそう少なく示すようになる。