以上ヨモギ葉より溶解度の差を利用してセルロースを分別し次の結果を得た。 1. 構成分の検索にてαセルロースはグルコースとキシロース・ガラクトースを構成糖とするヘミセルロースよりなるが, βセルロースとγセルロースはキシロース・ガラクトースのヘミセルロースを主成分となしそれに少量のフラクトースの存在を認め, 且ついずれのセルロースもリグニンの含有を認知した。 2. αセルロースはリグニンが他に比し多く, 真のセルロース量は約46%であり, βセルロースおよびγセルロースのキシロースとガラクトースの比は3.4: 1で一致した。 3. 加水分解物にはウロン酸は検出されなかった。アルカリ或いはNaClO2処理による遊離液中には多量のリグニンとそれより遊離割合の少ないヘミセルロースが移行し, リグニンとキシロースの結合物・キシロースのオリゴ糖も検出され, ヘミセルロースの構造およびリグニンとの結合を推定した。