バランスされたアミノ酸混合物 (5.5%) へさらに必須アミノ酸の一つを欠く9種のアミノ酸混合物を5%添加することにより, それぞれのアミノ酸により起こるインバランスの差異を幼白鼠の成長を目安としてしらべた。 メチオニン, フェニルアラニン, イソロイシン欠アミノ酸混合物を基礎飼料に添加すると, 基礎飼料群よりも体重増加が悪く, 摂食量も劣っていた。スレオニン, ヒスチジン, バリン, ロイシン欠アミノ酸混合物の添加ではあまり影響はあらわれず, トリプトファン, リジン, アルギニンをそれぞれ欠くアミノ酸混合物の添加によっては成長がコントロール群よりも良くなった。 肝ヒスチダーゼおよびアラニントランスアミナーゼ活性は不完全なアミノ酸混合物の添加によって一般的に上昇する傾向に見えた。特にヒスチジンを欠くアミノ酸混合物を添加すると両酵素活性は著明に上昇した。 以上の結果から個々のアミノ酸の種類によって栄養的特異性の存在することがわかり, 酵素活性と成長との関連について考察した。