文章基本信息
- 标题:高度不飽和酸の榮養價といわゆる魚油毒の本態
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- 作者:金田 尚志 ; 酒井 壽惠 ; 石井 清之助 等
- 期刊名称:日本栄養・食糧学会誌
- 印刷版ISSN:0287-3516
- 电子版ISSN:1883-2849
- 出版年度:1954
- 卷号:7
- 期号:4
- 页码:188-197
- DOI:10.4327/jsnfs1949.7.188
- 出版社:Japanese Society of Nutrition and Food Science
- 摘要:從來有毒とされていた高度不飽和酸は新鮮な魚體内に存在する場合のように未變化なものであれば, 決して毒性は示さぬであろうと豫想し, この豫想を證明するため白鼠を用いて試驗を行い, 次の如き結果をえた。 (1) 出來るかぎり精製を行つた高度不飽和酸エチ・エステルを, 飼料中のビタミン類がかなり少い状態で白鼠に投與したところ, なんら毒性は認められず, 白鼠は正常な成長をとげ, 對照として用いたオレイン酸エチルにさほど劣らぬ値を示した。 (2) 上記高度不飽和酸エチルを室温で自働酸化せしめたものは烈しい毒性を示し, 白鼠の體重は減少し, 口邊, 四肢, 肛門の邊の毛は脱毛し間もなく斃死した。この結果からして從來信じられていた高度不飽和酸の毒性は高度不飽和酸そのものではなく, 實は自働酸化生成物の毒性と思われた。 (3) 自働酸化生成物が毒性を示すという事實は高度不飽和酸の場合だけとはかぎらず, 不飽和酸全部についていえるのではないかと思いアマニ油液體酸エチルを自働酸化せしめたものについて試驗を行つたところ, 全く同一の結果を得た。即ち不飽和酸は二重結合数に應じて自働酸化をうける程度に差があるが, 酸化のある段階においてはみな毒性を示すように思われる。また以上の結果をもとにして考えると所謂魚油毒の本態は魚油そのものではなく, 含有脂肪酸の酸化生成物に起因するといえる。但しオレイン酸のごとく二重結合一コの不飽和酸はより不飽和な脂肪酸にくらべ, その酸化物の毒性はやや弱いが, これは二重結合の多い脂肪酸は過酸化物以外の酸化主成物が過酸化物毒に加擔しているためであろう。 (4) 不飽和酸自働酸化物中に生ずる有毒成分の構造を究明するため, 尿素法を用いて酸化生成物の分離を行い, 尿素附加物を作らぬ部分に有毒成分が濃縮されることを認めた。 (5) 實驗2として示したごとき補助的試驗を行つた結果, 不飽和酸自働酸化物中もつとも有毒な構造は過酸化物構造であろうという推定が成り立つた。この推定を證明するため, 自働酸化物より過酸化物の大部分を消失せしめた後動物試驗を行つたところ, 果して毒性の大半はなくなつた。この結果からして, 高度不飽和酸自働酸化物に生ずるもつとも有毒な構造は過酸化物構造であることを確認した。 (6) 過酸化物のマウスに對する致死量は大略278mg. Total peroxide oxygen/Kg.(LD50) である。 (7) 白鼠に経口投與した不飽和酸自働酸化物中の過酸化物はかなり肝臓及び筋肉中に見出される。 (8) 白鼠肝臓より分離したミトコンドリアに高度不飽和酸自働酸化物を少量加えるとシトコンドリアは急激に減少する。 (9) 東大, 病理學教室齋藤, 宇敷兩氏の所見によれば, 高度不飽和酸を投與して斃死寸前となつた白鼠の腎臓の細尿管は擴張し, 小腸の粘膜には細胞浸潤が認められた。 (10) 以上の結果からして, 高度不飽和酸自働酸化物中の過酸化物の示す毒性は直接體組織を犯すと共に酸素系をも破壞することに起因するのではないかと想像される。