現代青年の意識構造を把握するのに, 従来の人口学的な特徴ではとらえにくいことに着目し, ここではライフ・スタイルという観点から調査を試みた。40項目とそのほかに, 市場調査の意味も含めて, 現在の所有物や近い将来購入したい物などを尋ねた調査票を, 高校生・大学生あわせて634人の対象者に渡して記入を求めた。その結果について, (1) 単純集計, (2) 主成分分析, (3) クラスター分析を実施し, とくに主成分分析でえた12コの因子を利用して因子得点を算出し, それを活用してクラスター分析を行なった。クラスター分析では18コのクラスターを得たがその構成が3%以下のものを捨てて, 結果的には8コのクラスターを得た。それで全体の86%が説明できることになる。その8コのライフ・スタイルのなかで最大のグループは「消極的中庸型」で29%の割合にもなり, 約3割の若者は消極的で特徴がなく何事にも無難な態度をとる人たちであった。 その他の結果としては, (1) ライフ・スタイルはやはり人口学的な特性よりも若者の行動特性をよく表現している。(2) 女性優位のライフ・スタイルはそのうち3コのクラスターだけであった, (3) 彼らがもっている所有物もライフ・スタイルの特徴を表わすものが多い, などであった。