本研究では, 音環境が自己開示に及ぼす効果を検討した。快適な音環境は自己開示を促進させるが, 不快な音環境は自己開示を抑制するだろうとの仮説が立てられた。被験者は大学生の男性17名, 女性16名であった。被験者は男女同数になるようにランダムに快適音条件, 不快音条件に割り振られた。結果, 被験者が自己開示をするのに好ましい音環境は性別により異なっていた。すなわち, 男性は快適な音環境を好んだのに対し, 女性は不快な音環境を好んだ。こうした選好に対応して, 男性は快適音環境で自己開示が多かったのに対し, 女性は不快音環境で自己開示が多かった。音環境の選好は男女で異なっていたが, 仮説は支持されたと言える。この結果は, 自己開示動機に基づく結果からも支持された。