以上の結果を要約すると, 晒粉反応時のpHの差, 澱粉の貯蔵, 或は薬品の使用量の差などがばらつきに大きな影響を及ぼすのに対して, 水洗回数の差によってはあまり大きな影響は見られない。 また現場仕込みと晒澱粉の粘性については糊化開始温度と最高粘度に達する温度の低い澱粉, また最高粘度500B.U. 以上で, しかも白度90以上の, 異物を混入していないものが良好な結果を得ている。 凍麺原料としての晒澱粉については未解決の問題が非常に多く, 今後さらに検討しなければならないが, たとえば澱粉中に含まれるカルシュウム, あるいは塩素イオン等と凍麺の透明度との関係や, 冷凍との関係, またカルキ処理だけでなくて, 次亜塩素酸ソーダ等の使用の方法, 特に鈴木等の報告にあるように, 白度90以上で, しかも最高粘度が700ないし800B.U. 程度の, 非常に粘度の高い澱粉が, すり込み澱粉に次亜塩素酸ソーダを使用することによって得られていることなどからも凍麺原料としての晒澱粉製造方法として検討する必要があるのではないかと思われる。 最後に, この報告を行うにあたり, いろいろ御指導頂いた鹿児島農業試験場の山村頴博士, 並びに当社の研究室の諸氏に対し感謝の意を表する。