実験室で小規模な連続処理装置を試作して甘藷汁の処理実験を行なった。1. パン酵母を使用したとき,窒素源無添加ではCOD除去率55~70%,全糖分の除去率80~90%となったが,20~30時間経過すると酵母量が減少した。2. 硫安を甘藷汁に対して0.05%添加するとpHが3.5~4.0に維持され,COD除去率は75~85%,全糖分の除去率95%,酵母量900~1,100mg/100mlとなった。COD負荷量が15kg/m3/d以上になると除去率は低下した。3. 硫安0.03%,コンステープリカー0.1%を併用すれぽ硫安0.05%とほぼ同程度に処理できたが溶存酸素の低下が硫安のみの場合に比較して大であった。4. 通気量は窒素源を添加したとき2.0l/min/2.5l(KLa=25)は必要であった。5. 連続処理ではパン酵母添加後,20時間程度はパン酵母のみで維持できたが,それ以後になると野生酵母の発生が認められた。