本稿は、松竹、東宝に並び称されるほどの演劇興行会社へと商業的に成功した劇団四季の事例研究論文である。劇団のこれまでの歩みを概観した後に、劇団四季という組織の運営形態に検討を加え、最後に顧客とのコミュニケーション行為としての劇団四季のマーケティング戦略を分析し、芸術性と営利性という二律背反的関係を超えた文化・芸術活動とマーケティングの融合について検討を加えるものである。