1. 洋梨Bartlettの無袋果を有袋果と比較してその品貿を検討した。 2. 果形指数は無袋果が低く優つているが果実重は無袋果が約10g大きく生果用としては良いが加工用としては今少し小形が望ましい。 3. 分析成績に依ると無袋果が糖分ビタミンC共に多く総酸粗繊維は少く,生果としては之等の点に於いて無袋果が優る事を認めた。 4. 罐詰製造歩留は無袋果が僅かに大であつたが之は石細胞塊を取除かなかつたので,商品製造に際しては剥皮作業,歩留共に無袋果が劣ると思われた。 5. 開罐試験については計量調査では差が無かつた。 試食審査の結果は色沢に就いては差無く香気は無袋が優つた。肉質の点で無袋製品に石細胞の塊を認め加工用として又生果用としても欠陥を認めた。 以上の結果から見て無袋裁培に対しては石細胞塊を生ぜしめぬ様裁培管理の方法に研究の余地のある事を認めた。 試験材料を充分に分譲され又種々の御教示を戴いた山形県農試置賜分場阿部場長,同鈴木寅雄技師に対し感謝の意を表する。