茶葉の硬度と製茶品質とは密接であるが,これを研究した例が少い。理由は主として適当な計測方法のないことからきているのであるが,筆者等は茶葉の強靱性の差を基礎に硬度を示す鉄針穿孔法1)(図示)を用い,均齊な発芽が行われる品種たまみどり園の茶の芽を試料に,これが生長に伴う変化,葉序別特性の究明を行うと共に,蒸熱,製茶品質の一部の関係についても検討をした。その結果硬度は単に比較上のものに過ぎなかつたが,これを通じて多くの茶葉の特性を明らかにすることができ,同時に芽乃至葉を利用する茶以外のものについても示唆するものも認められたので,ここに結果を報告する。