1991年の5月から12月にかけて東京都内の自家用井戸水を採水し, 大腸菌群の汚染状況を調査したところ, 1,969件のうち672件 (34.1%) から大腸菌群が検出された. また1992年の5月から11月にかけて採水した220件については85件 (38.6%) から大腸菌群が検出され, 1991年とほぼ同様の検出率を示した. 1992年に採水した井戸水の大腸菌群数は, サンプル100m l 当たり100個以下のものが半数強を占めた. 分離された113株について同定を行ったところ, 8属21菌種に分けられ Klebsiella pneumoniae (14.2%), Enterobacter cloacae (11.5%) Klebsiella oxytoca (10.6%) の3菌種が優勢であった. Escherichia coli は113株中5株 (4.4%) から分離された.