茨城県と神奈川県内にある2ヵ所の惣菜工場の包装室 (AおよびB包装室) に送風機内蔵型の空気清浄装置を設置し, 空中浮遊微生物に対する影響を調査した.その成績は, 以下の通りであった. 1. 装置運転前のA包装室およびB包装室の浮遊細菌数は, それぞれ0.269~0.533 cfu/L, 0.041~0.577cfu/L, 浮遊真菌数は, 0.087~0.201cfu/L, 0.047~0.444 cfu/Lで, B包装室では, 午後菌数が増加する傾向が認められた. 2. 装置を運転することにより, A包装室では, 細菌数および真菌数とも有意 (P<0.01) に減少し, それぞれ運転期間中0.056~0.132 cfu/L, 0.016~0.029 cfu/Lで推移した.また, B包装室では, 午後の測定で, 運転後有意 (P<0.01) に減少し, 細菌数および真菌数は, それぞれ0.026~0.028 cfu/L, 0.022~0.058 cfu/Lとなった. なお, 捕集地点による除去効果の差は, A・B包装室ともほとんど認められなかった. 3. 装置運転前のB包装室で分離された細菌中 Staphylococcus 属, Micrococcus 属, Bacillus 属の3属菌が全体の57.4%を占めた. また, 運転後もこれら3属菌が優勢 (68.5%) であった. 4. 今回の調査では, 装置運転前後のいずれの測定でも, Listeria 属菌は検出されなかった.