瀬戸内海海域の10ヵ所から食用カキを採取して, 190菌株の E. coli を分離した後, 各菌株に対する耐熱性試験やピルビン酸塩存在下における増殖保護効果試験を行った. (1) 食用カキ由来 E.coli は, 50℃, 24時間の加熱に対して, 190菌株中74菌株, 約39%の E.coli が耐性を示した. (2) この耐熱性株に対してさらに80℃, 1分の加熱を行うと, 50℃の加熱で耐性を示した74菌株中39菌株, 約53%が耐性を示した.190菌株に対しては, 約21%の耐熱性菌の出現割合を示した. (3) 50℃, 24時間の加熱に対して耐性を示したが, 80℃, 1分の加熱に対して耐性を示さなかった35菌株について1%ピルビン酸塩存在下で80℃, 1分の増殖保護効果試験を行った.その結果, 増殖保護効果を示した菌株は, 24菌株, 約69%という高い割合を示した.