左側頭葉神経膠芽腫により中等度の失語症状 (聴覚的理解・復唱・呼称に強い障害) を呈した患者に,「コミュニケーション手段の確保」を目的とした言語マッピングを行った。課題は「振り仮名付き漢字単語の音読」。術中,明らかな陽性所見は認められず,腫瘍の9 割が切除された。術後,〝漢字単語の読解〟機能はおおむね良好に保たれ,日常コミュニケーションに役立った。中等度の失語症状を呈していても,「コミュニケーション手段の確保」を目的とした場合,有益な言語マッピングが行える可能性が示唆された。