出版社:The Institute of Image Information and Television Engineers
摘要:車載単眼カメラを用いた車間距離計測を実現するためには高精度なピッチ角推定が必要となる.本論文では車載単眼カメラのみで累積誤差が発生せず初期姿勢推定可能な高精度なピッチ角推定手法を提案する.この手法はハリスコーナーおよびピラミッド型Lucas-Kanade法を用いて前後フレーム間の特徴点のオプティカルフローを検出し,Structure from Motionで推定された回転行列および並進ベクトルの正当性を判定した上でカメラの自己運動推定を実現している.そして,ガウス・ニュートン法を用いて推定された自己運動パラメータを最適化する.さらに,本論文では並進ベクトルから車載カメラが走行道路に対するピッチ角の推定手法について提案する.そのピッチ角と回転行列から分解した前後フレーム間のピッチ角レートを移動平均法で合成し,高精度なピッチ角推定を実現している.シミュレーション画像および車載カメラ実画像の両方を用いて,提案手法が有効であることを確認した.