熊本県内の第一次産業就業者の割合が高い一地域住民を対象に,健康・食習慣に関する質問紙調査を行い,副菜摂取頻度と健康・食習慣の関連を検討した。調査は19歳から69歳の男女5,300人を対象に行い2,045人(男性644人,女性1,401人)を最終的な解析対象者とした(有効回答率38.6%)。統計解析には多変量ロジスティック回帰分析を用いた(有意水準5%)。 その結果,男性においては“家族との夕食共食頻度”,女性においては“食生活の満足感”,“食事の支度頻度”,“朝食頻度”,“清涼飲料水摂取頻度”,“野菜が好きか”,男性,女性共通して“中食頻度”,“野菜料理を1日2回以上食べる行動についての変容ステージ”,“野菜料理を1日2回以上食べることのセルフエフィカシー”,“一汁三菜の食知識”,“家庭での野菜料理摂取頻度”が副菜摂取頻度に関連していることが明らかになった。したがって,これらを高める栄養教育を行うことで副菜摂取頻度が増加する可能性が示唆された。今後は,他の地域を対象に同様の調査を行うと同時に,地域における副菜摂取増加に向けた具体的な方策について検討する必要があると考える。