理科における種類の異なる興味を弁別可能な尺度を作成し, それぞれの興味の特徴について検討することを目的とし, 小学5年生から高校1年生まで1,998名を対象とした質問紙調査を行った。結果, 理科に対する興味は「自分で実験を実際にできるから」などの項目からなる「実験体験型興味」, 「実験の結果に驚くことがあるから」などの項目からなる「驚き発見型興味」, 「わかるようになった時うれしいから」などの項目からなる「達成感情型興味」, 「色々なことについて知ることができるから」などの項目からなる「知識獲得型興味」, 「自分で予測を立てられるから」などの項目からなる「思考活性型興味」, 「自分の生活とつながっているから」などの項目からなる「日常関連型興味」, 以上6つに分類されることが示された。また, 「思考活性型興味」や「日常関連型興味」は, 「意味理解方略」や「学習行動」と関連のある重要な種類の興味であるにもかかわらず, どの学年においても他の種類の興味に比べて低い, ということが示唆された。