間伐後1~7年経過した複数のスギ人工林で,作業道の植生回復を調査した。GLMによる解析の結果,ほとんどのモデルにおいて種数または植被率に対して作業道を開設してからの年数が要因として選択された。しかしながら,枝条散布の有無は選択されなかった。平均種数は,開設後3年目で12.4種/m2 となり,5~7年は10.9種/m2であった。平均植被率は,3年で58%となり,5~7年で86%となった。草本の種数と植被率は,開設後3年目まで増加しそれ以降減少したのに対し,木本は5年まで増加しそれ以降横這いとなった。一方,チマキザサの植被率は年数にともなって増加する傾向がみられた。これらの結果から,作業道での植生回復は,開設後3~5年に草本から木本やササへの優占変化をともないながら枝条散布とは関わりなく増加し,路面の安定化に寄与しているものと考えられる。