本稿では,オープンアクセス(OA)の基本的なコンセプト,背景,主なOAのモデルとその特徴の概要,OAに関してRoyal Society of Chemistry(英国王立化学会,RSC)が果たすべき役割について取り上げる。研究助成機関の役割や方針が学術出版に大きな影響を与えている環境ではあるが,出版業界ではOA化が進んでいることもあり,化学分野においても,この環境の変化が顕著に反映されている。化学分野ではOAはまだ受け入れられているとは言えない状況だが,このようなOA移行期にRSCがどのように学術出版の発展や出版オプションを多数提供し,著者や図書館関係者といったOA出版関係者を支援しているのかについて述べる。