これまでの研究から凍結融解法は懸濁固形分(SS)を多く含む溶液の固形分除去に有効であることがわかっている.本研究においては,サンプル溶液をSS除去が必須であると考えられている食品ごみ糖化液とし,凍結融解法のSS除去能の検討を行った.SS濃度が52700 ppmの食品ごみ糖化液に凍結融解法を適用すると,含まれるSSは1300 ppmまで低減された.さらにその溶液を一晩静置し,浮遊しているSSを沈降させクリアな上清を採取することによって,溶液に含まれるSSは220 ppmまで低減された.つまり凍結融解後一晩静置させるという一連の操作によって食品ごみ糖化液原液に含まれるSSを99%以上除去できた. また,食品ごみ糖化液はその性状から非常に腐敗しやすい特徴を持っている.糖化液を発酵原料と捉える場合,貯蔵・保管の観点から,冷凍による一時保管が想定されるため,凍結融解法によるSS除去は一石二鳥な処理法である.