疎水性物質であるフェノール,2-ナフトール,1-ウンデカノール,ステアリルアルコール,コレスタノールとリノール酸を結合させ,リノール酸化合物を合成した.これらの合成物と市販のリノール酸,リノール酸メチル,リノール酸エチル,リノール酸イソプロピル,リノール酸コレステロールと併せて,80℃における化合物中のリノール酸残基の酸化過程を測定した.その酸化過程から酸化速度定数を算出し,速度定数とリノール酸に結合する疎水性物質の分子量の関係を検討した.測定したリノール酸残基の酸化過程は概ね自触媒型速度式を用いて表すことができた.その酸化速度定数は結合する疎水性物質の分子量が大きくなると小さくなる傾向となったが,分子量が150以上になるとほぼ同様の値となった.