本研究では,コーンスターチ-二糖混合アモルファスの水分収着性と二糖類の結晶化について検討を行った.コーンスターチに二糖(スクロース,ラクトース,トレハロース)を添加した凍結乾燥アモルファスコーンスターチ試料の25℃における水分収着等温線を簡易デシゲータ法を用いて測定し,二元収着モデル式にて解析を行った.各試料の結晶性の確認は,X線回折測定を用いて行った.また,ガラス転移温度( T g)は,示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定した.凍結乾燥コーンスターチ試料と比較して単分子層収着が飽和したときの収着量を示す C’ Hは,二糖の存在により低下した.とくに,スクロースの場合に, C’ Hが最も小さい値を示した.一方で,高 a wの領域( a w≧0.75)では,スクロースが最も高い水分収着性を示した.また,X線回折測定の結果, a w=0.75において,コーンスターチ中のラクトースとトレハロースでは,結晶化が起きていた.