本論文では,原料に糊化米粉を使用し,糸状菌と細菌を混合培養することで液化工程を省略した液体培養法によるグルコアミラーゼ生産法の構築を目的とした.混合培養を行った結果,グルコアミラーゼ生産糸状菌 Rhizopus cohnii の増殖に伴って培養液pHが低下し,α-アミラーゼ生産細菌である Bacillus amyloliquefaciens の増殖が困難であった.一方で B. amyloliquefaciens 由来のプロテアーゼが R. cohnii の細胞壁溶解に関与することが明らかとなった.これらの問題に対して,酢酸アンモニウムの添加とそのタイミングが重要であることを見出した.とくに B. amyloliquefacies を24 h前培養した時点で R. cohnii 及び3.84% (w/v)の酢酸アンモニウムを添加することで740 U/mlと高い活性を得ることに成功した.