脱脂米糠を120℃~240℃の亜臨界水で処理して抽出物を得た.処理温度は抽出物の全糖およびタンパク質の含有率に影響を及ぼし,処理温度が210℃まではタンパク質含有率は全糖のそれより低かったが,240℃ではその関係が逆転した.抽出物のDPPHラジカル消去能は抽出温度の上昇とともに240℃まで増加し,全フェノール性物質の含有率と相関した.バルク系およびミセルへの可溶化系でのリノール酸の酸化に対する抽出物の抗酸化性を評価したところ,抽出物の抗酸化性は2つの系で異なっていた.ミセル可溶化系では,抽出物を加えない対照に比べて,いずれの温度における抽出物もリノール酸の酸化を遅延し,とくに240℃での抽出物の効果が大きかった.一方,バルク系でのリノール酸の酸化に対しては,240℃での抽出物のみが抗酸化性を示した.