カルボキシレートタイプ陽イオン交換樹脂によるタンパク質の脱アミド化の機構を解明するために,表面プラズモン共鳴(SPR)法を用いて大豆7Sグロブリンとカルボキシル基の相互作用の解析を行った.脱アミド化に用いる溶媒として,緩衝溶液の種類,溶液のNaイオン濃度,pHを変えて検討を行った.大豆7Sグロブリンとカルボキシル基との相互作用の程度は,デキストランマトリックス上にカルボキシル基を有するセンサーチップを装着したSPRバイオセンサー(Biacore)により評価した.大豆7Sグロブリンのポリマー上のカルボキシル基との親和性,大豆7Sグロブリンの脱アミド化のレベルともに,Naイオン濃度が低いほど高く,pHについては6.0で最大だった.また,緩衝液としては,検討した中ではリン酸緩衝液が脱アミド化に最も適していた.全体的に,大豆7Sグロブリンの脱アミド化度とセンサーチップ上のカルボキシル基との親和性には,高い相関がみられた.