希薄塩化ナトリウム溶液を用いて界面前進凍結濃縮を撹拌条件として氷結晶生成速度 u および氷相界面での撹拌速度 N を変化させて行い,溶質の氷相への取込み指標としての固液間分配係数( K )への影響を測定し,操作条件の結合パラメータ u/N 0.2が大きいほど K の値は大きくなることがわかった.一方,純水を用いて,同様に操作条件を変化させて界面前進凍結を行い,生成氷結晶構造を測定した.偏光を用いた観察法により,通常の可視光では均一に見える氷結晶が,伝熱方向と逆方向に成長した多数のデンドライト構造の集合体であることが明らかとなり,その氷結晶平均径は結合パラメータ u/N 0.2と明瞭な負の相関を示すことがわかった.これらを総合して,界面前進凍結濃縮における氷相への溶質の取込み機構は氷結晶粒の間隙への取込みであることが推察された.