世界科学会議(ICSU)のプログラムの一つである世界科学データシステム(WDS)は科学データに関する国際的取組を目的としており,異分野横断型研究対応を主要目標の一つとして掲げている.NICTサイエンスクラウドは,WDSの理念を実現するために次世代型の科学研究環境の実現を目的に構築された科学研究用クラウドシステムである.科学分野のビッグデータの収集・転送機能,保存・公開機能,処理・可視化機能をマッシュアップすることで学際的研究環境の実現が期待される.本研究では,科学データを融合して表示するための学際的科学データ表示Webを提案する.過去の 経験をもとに,まず学際的科学データ表示Webで必要な要件をまとめた.さらに基本設計を行い, 2 つの科学衛星プロジェクトデータを融合表示するWebアプリケーションをNICTサイエンスクラウド上に実装した.この実装事例をもとに,学際的科学データ表示Webの有効性について議論する.