昨今,種々の目的で打ち上げられる科学衛星や地球観測衛星の観測データは蓄積され続け,膨大な量となっている.自然科学ビッグデータをプロセス間通信等の複雑なプログラミングや大規模な環境設定なしに解析するためのデータ処理手法と環境の需要が高まっている.本論文では,サイエンスクラウド上で容易に並列処理の実装が行えるタスクスケジューラを用いたヘテロタイプの並列分散処理の性能評価について議論する.評価を行うにあたって,月周回衛星かぐやに搭載されたWFC-Lが観測した波形データセットと既存のデータ解析プログラムを用いた.今回提案するタスクスケジューリング技術および並列分散処理技術がヘテロタイプの時系列データ処理に適していることを実証する.