特定保健用食品 (トクホ) は, 科学的根拠によって保健用途の表示が許可された食品であるが, 日常の食生活において保健用途が発揮されない場合のあることが報告されている。また, トクホの利用者の多くは保健用途を実感していない。理由の一つに, トクホの保健用途が発揮されるための利用法が, 消費者に正確に認識されていない可能性が考えられる。本研究では, 健康や栄養への関心が高く, ある程度栄養学の知識を有していると思われる健康科学系の女子大学生が, トクホの広告や科学用語による商品情報から保健用途発揮のための条件をどのように認識するかを調査した。その結果, 広告や科学用語による商品情報からは, 約30%の学生にはトクホの対象者や摂取方法が認識されず, トクホの保健用途に関する情報が正確に伝達されていない可能性が示唆された。